
中小企業診断士の筆記試験の結果、「口述試験を受ける方」に選ばれると、口述試験を受けることになります。私上村は、平成28年12月9日に口述試験を受験できることが分かりました。
もっとも、平成28年度の口述試験日は、平成28年12月18日であり、試験対策の期間としては、10日間しか時間がありませんでした。そのため、口述試験の対策としては、限られたことしかできません。しかし、限られた時間の中でも、可能な限りの対策を講じる必要があります。
以下、口述試験の対策として、私上村が取った対策についてご説明致します。
筆記試験の事例の読み込み
口述試験においては、試験官の方から、筆記試験の事例Ⅰから事例Ⅳの内容を前提とした質問がなされます。その際、事例の内容は、その場では与えられません。そのため、どのような事例だったのか、口述試験を受ける前に記憶しておく必要があるのです。
しかし、筆記試験から2か月程度の時間が経過していることもあり、問題の内容を忘れている可能性があります。口述試験前に問題を熟読しておかなければ、何も答えられないという事態も生じかねません。
筆記試験において、どのような事例だったのかを今一度把握することは、口述試験のために最低限すべき対策と言えるでしょう。
筆記試験の問題を解いてみる
筆記試験の事例問題を読むことは、口述試験の対策として最低限行うべきことですが、時間の許す限り、筆記試験の問題を今一度解いてみることも効果的でしょう。筆記試験の問題は、事例の内容を理解する上では、非常に効果的な内容です。その問題を今一度解くことで、事例の内容をより一層理解することができます。
また、私上村は、筆記試験の問題を解いた上で、各予備校が公表している解答例を参考にして、本試験で気づくことができなかった視点などを理解するように努めました。各予備校の解答例を比較すると、その解答例は一律ではなく、実に様々でした。異なる解答例を比較し、本試験で自分が気づくことができなかった視点について理解することは、事例の内容を深く研究するということで、有意義ではないかと思います。
想定問答集の入手
また、口述試験の直前においては、各予備校において想定問答集を交付しております。私上村も予備校の想定問答集については、目を通していました。確かに、同じような質問がなされるという訳ではないのですが、それでも他の受験生が読んでいるものについては見ておいた方が良いだろうと思い、想定問答集を入手の上、読み込みをしました。
模擬面接の受講
さらに、口述試験の直前は、各予備校において模擬面接が実施されます。私上村も1度だけ、模擬面接を受講致しました。もちろん、本試験と全く同じではありませんが、それでも、10分間という時間の長さ、質問に対する答えるスピードや時間などを体験できたことは良かったと思います。
口述試験の当日
平成28年12月18日、いよいよ口述試験が始まりました。私上村は、試験当日は午前11時24分からの試験開始でした。開始より30分前には試験場所に集合していなければなりませんでしたので、概ね試験開始の1時間前に試験会場で待機していました。
試験場には多数の受験者がおり、流れ作業のように進められました。自分の出番がきたときに、係員の方より、口述試験場所まで案内され、試験室前で一度待機した上で、試験場所である部屋の中に進みました。
口述試験の試験官の方は2名でした。聞かれた事例は事例Ⅲ(生産・技術)と事例Ⅳ(財務・会計)でした。
口述試験(事例Ⅲ)
試験場所の部屋に入り、後ろに荷物を置き、名前の確認があった後で、早速、試験官の1人から事例Ⅲについての質問がありました。
最初の質問は、対象企業の強みなどに関する基本的な質問でした。事例内容を読み込んでいたこともあり、基本的な質問については十分に解答できたと思います。なお、私が解答していく度に、試験官の方が何らかのチェックをしている様子が見受けられました。
もっとも、基本的な質問の後、全く用意をしていない想定外の質問もありました。設備面に関する質問であり、減価償却に関することを聞いているのかもしれないと思いながらも、どう答えれば良いのか全く検討がつきませんでした。とりあえず、質問内容を繰り返して確認する、もう一度、事例内容の前提事実を確認するということをして、何でも良いから解答しようとしました。試験官の方が何もチェックをしていなかったので、おそらく的外れの解答だったのだと思います。口述試験中は、「落ちたかもしれない」と思いましたが、今となっては、全くの沈黙状態になってしまうよりは良かったのではないかと思います。
口述試験(事例Ⅳ)

事例Ⅲの質問の後は、質問する試験官の方が交代して、事例Ⅳの質問となりました。事例Ⅳも始めは対象企業の状況(経営指標)に関する基本的な問題が聞かれましたが、2度目の質問になるにつれて難易度が上がっていきました。中でも分からなかったことは、負債に関して聞かれたときでした。負債比率が多いことで安定性が低いことについては解答できたのですが、試験官としてはなかなか納得していただけない様子でした。今になってみれば、財務レバレッジのことを聞いていたのではないかと思います。
財務レバレッジとは、総資本 ÷ 自己資本により算出されます。確かに、財務レバレッジが低ければ、それだけ安全な経営をしていることにはなりますが、負債を活用して積極的な経営ができていないということにもなりかねません。負債が多いと言っても、それだけで不健全というわけではなく、この財務レバレッジに関する理解が不十分であったと、試験後に反省する次第でした。
財務レバレッジに対してうまく解答ができなかったため、今度は、固定費に関する質問がありました。質問内容からはすぐには分からなかったのですが、何となく、営業レバレッジの話ではないかと思い、「営業レバレッジのことでしょうか」と質問したところ、試験官が笑顔で、頷いてくれました。営業レバレッジは、筆記試験の過去問でも出題されていたこともありましたので、限界利益÷営業利益により算出し、営業レバレッジが高ければ、固定費の割合が大きい分、売上の変動の影響を受けやすいということを知っていました。この営業レバレッジに対して解答すると、試験官の方がチェックを入れてくれたことを今でも覚えています。
口述試験終了後
営業レバレッジに関する解答が終了した後で、口述試験は終了しました。正直、「うまく解答できなかった」、「落ちたかもしれない」、「何が正解だったのだろう」と、非常に不安になってしまいました。
最終的には、口述試験を受験した人は全員合格ということでしたが、試験としては、口述試験が一番難しかったのではないかと思いました。もちろん落とすための試験ではないと思いますが、全員筆記試験を合格している方たちなので、楽観視はできないのではないかと思います。口述試験を受ける前に、短い時間であっても、筆記試験の事例を読み込む、基本事項を今一度確認するなど、可能な限りの準備しておいた方が良いでしょう。
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