弁護士と中小企業診断士のダブルライセンス

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くぬぎ経営法律事務所は、「経営」法律事務所と記載されているように、弁護士業だけでなく、中小企業診断士の資格(ダブルライセンス)を活かして、弁護士としてのリーガルサービスを提供しつつ、経営診断・経営支援ができることを強みとしています。弁護士の資格を保有しているのに、どうしてダブルライセンスとして中小企業診断士の資格も必要なのか、というご質問をいただくことがあります。以下、弁護士と中小企業診断士のダブルライセンス保有の意味について、くぬぎ経営法律事務所の代表である上村康之からご説明致します。

 

弁護士と中小企業診断士のダブルライセンスについて

弁護士資格を保有していれば、弁理士業務や税理士業務を行うことができ(弁護士法第3条2項)、また、社労士や行政書士の登録も可能です(社労士法3条2項、行政書士法2条2号)。特に、弁護士は,所属弁護士会を経て,国税局長に通知することにより,随時税理士業務を行うことができるため(いわゆる通知弁護士)、私上村康之も、通知弁護士として相続税の申告手続を代理した経験があります。

さらに、司法書士の業務である登記申請代理業務についても、東京高裁平成7年11月29日付判決により、「弁護士法三条一項にいう『一般の法律事務』には登記申請代理業務が含まれる」と判示されていることから、弁護士であれば上記業務を行うこともできます。私上村康之も、裁判上の和解が成立した後など、弁護士として登記申請代理業務を行うことがあります。

このように、弁護士であれば、弁護士業だけでなく、弁護士業以外の様々な業務を行うことができるのです。

しかし、弁護士であるからといって、「中小企業診断士」として登録することはできません。中小企業診断士は経営コンサルタントとして認められる唯一の国家資格であり、弁護士であっても、上記資格を得るには、中小企業診断士試験に合格しなければならないのです。

 

中小企業診断士とは

中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対応するための経営診断・経営支援を行う専門家(経営コンサルタント)であり、法律上の国家資格として認められている資格です。

確かに、中小企業診断士の資格を保有していなくとも、経営診断・経営支援を行うことはできます。しかし、経営診断・経営支援を行うには、当然ながら専門的な知識・経験を要し、少なくとも中小企業診断士試験に合格できるだけの知識や考え方については身につけていなければならず、それは弁護士であっても同様です。

 

弁護士から見る中小企業診断士

中小企業診断士の試験とは、第1次試験第2次試験に分かれます。第1次試験は短答式試験であり、試験科目は、「経済学・経済政策」、「財務・会計」、「企業経営理論」、「運営管理(オペレーション・マネジメント)」、「経営法務」、「経営情報システム」、「中小企業経営・中小企業政策」の7科目であり、その分野は多岐にわたります。

弁護士にとって馴染みのある科目は「経営法務」であり、民法、会社法、知的財産法などが中心に出題されますが、企業の経営診断・経営支援を行うにあたっては、様々な観点から検討しなければなりません。そのため、法律知識を有するだけでは不十分であり、上記のような様々な分野の知識を有している必要があります。それは弁護士であっても例外ではありません。なお、第1次試験の合格率は、概ね20%程度となっています。

第2次試験は、筆記試験と口述試験となります。試験科目は、「人事・組織」「マーケティング・流通」「生産・技術」「財務・会計」の4科目となります。第2次試験は、第1次試験とは異なり、知識を問うものではなく、事例を踏まえて、中小企業診断士の立場として分析及び助言を行うものです。詳細な事情が書かれた事例問題を扱うことから、実際の中小企業診断士業務に近い内容といえます。合格率については第1次試験と同様、概ね20%程度となりますが、知識を習得しているだけでは、合格することはできません。当該企業に対して最も良い対策は何か、個別具体的な事情を用いて説得的に論ずる必要があるのです。

もっとも、企業様、個人事業主様のおかれている個別具体的な事情や状況を踏まえて、対応策を考え、説得的に論ずるということは、弁護士業の一つである企業法務事業再生事業承継債権回収等を含む)においても極めて重要であり、弁護士業とも密接に関係する内容といえるでしょう。

 

弁護士 上村康之が考えるダブルライセンスの意義

このように、中小企業診断士試験を受験することで、司法試験や二回試験(いずれも弁護士となるための試験)では習得することができない、経営に関する知識及び考え方を学ぶことができるわけですが、合格したからといって直ちに中小企業診断士として登録できるわけではありません。

中小企業診断士の登録方法にはいくつか方法がありますが、私上村康之は、実務補習という、中小企業診断協会が実施する研修を経た上で登録を行い、弁護士と中小企業診断士のダブルライセンスとなりました。実務補習では、指導員の監督の下、6名ほどのメンバーと一緒に、実際の企業を訪れ、ヒアリング等を行い、経営課題を分析して、解決案を提言するという、中小企業診断士としての業務を経験することができます。また、実務補習では、様々な業界の仲間と出会い、共に作業を行うことができるので、その人的関係は、私、上村康之にとって、かけがえのない財産となっています。

ダブルライセンスとは、弁護士業以外の知識や考え方を習得するだけでなく、このような人的関係を育むという意味でも、極めて重要な意義があるのではないかと考えています。

 

弁護士・中小企業診断士としての経営診断・経営支援

日本は中小企業の割合が99パーセントと言われています。そして、その課題も企業様・個人事業主様によって様々であり、当然のことながら、その内容は法律問題だけではなく、複雑多岐にわたります。

くぬぎ経営法律事務所の代表上村康之は、これまで長きにわたり弁護士としての研鑽を積み重ねて参りました。しかし、昨今の経営課題は複雑多岐にわたっており、弁護士の資格を保有しているだけでは、対応困難なケースが増加しています。

私、上村康之は、弁護士に加え、中小企業診断士の資格も取得することで、ダブルライセンスによる相乗効果(シナジー効果)から、弁護士業にさらなる磨きをかけるとともに、充実した経営診断・経営支援を行うことができる体制を整えております。

荒川区をはじめとして、顧問弁護士や経営診断・経営支援(SEO対策セミナーを含む)を必要と考えておられる企業様個人事業主様におかれましては、お気軽にくぬぎ経営法律事務所にご相談いただければ幸いでございます。

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