模倣品(コピー商品)対策

法人様(企業様)において、模倣品(コピー商品)に対して、どのように対策をすれば良いのか、というところは、大きな悩みとなることが多いのではないかと思います。

模倣品が蔓延すれば、模倣された側としては、売上の減少(本来得られるべき利益の損失)だけでなく、消費者に対する信用の喪失、創造意欲の低下など、非常に大きな損害を被る可能性があり、その販売の差し止め等を検討しなければなりません。

ところが、模倣品は、その製造業者、販売業者の特定が難しく、また、製造業者、販売業者からは、「模倣してはいない」「そもそも、特に類似していない」などの反論が予想され、一筋縄ではいきません。

以下、模倣品の対処方法についてご説明致します。

模倣品(コピー商品)への対処方法

まず、模倣された対象商品について、何らかの知的財産権があるのか、確認します。知的財産権とは、特許権(発明)、実用新案権(形あるアイデア)、意匠権(デザイン)、商標権(マーク、ブランド)など様々ですが、もし、これらの権利を保有しているのであれば、その権利を行使することで、製造、販売を防ぐことが考えられます。

 例えば、自社のロゴマークが勝手に使用されている場合には、商標権侵害を根拠として、自社の製品のデザインを勝手に真似されたという場合には、意匠権侵害を根拠として、権利行使することになります。
権利行使の前に、模倣品の入手経路をインターネットなどで調査し、また、可能であれば、証拠として、模倣品そのものを入手しておいた方が良いでしょう。

権利行使の方法としては、①内容証明郵便などを用いて、販売停止を求める、②民事裁判により解決する(差止請求、損害賠償請求、信用回復請求など)、③刑事責任の追及、④税関に対し輸出入差し止めを申し立てるということが考えられます。
特許権、実用新案権、意匠権、商標権の取得は、基本的に「早いもの勝ち」ということになりますから、可能な限り早期に出願の上、取得した方が良いでしょう。
仮に、上記のような知的財産権を保有していない場合には、不正競争防止法を根拠として、差止請求等を行うことができないか、検討することになります。

つまり、不正競争防止法2条1項3号によれば、「他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくはは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為」(商品形態模倣行為、デッドコピー)を「不正競争」としています。そして、このような商品形態模倣行為(デッドコピー)をした相手方に対して、差止請求(同法3条)、損害賠償(同法4条)、信用回復の措置(同法14条)などを求めることを認めています。

裁判例としては、ゲーム機の商品形態について模倣と認めた例(たまごっち事件、平成10年2月25日付東京地方裁判所判決)や腕時計の商品形態について模倣と認めた例(平成11年6月29日付東京地方裁判所判決)などが挙げられます。
ただし、保護の期間は、日本国内で最初に販売された日から3年とされており、3年を経過した場合には、不正競争防止法2条1項3号の模倣禁止条項は働きませんので、注意が必要です(不正競争防止法19条1項5号)。

また、不正競争防止法では、模倣品を譲渡等する行為を禁止していますが、製造までを禁止するものではありません。
それでも、不正競争防止法を根拠とし、内容証明郵便等を利用することで、模倣商品を販売する業者に対して販売中止等を求めれば、模倣商品の拡大を防ぎ、自社の利益を守ることにつながります。

なお、販売行為から3年が経過していても、その商品形態が需要者の間に広く認識(周知)されている場合や、また、全国的に知られているほどの著名性がある場合、不正競争防止法が禁止する「周知表示混同惹起行為」や「著名表示冒用行為」に該当し、差止請求等が認められる可能性があります(不正競争防止法2条1項1号及び2号)。

模倣品(コピー商品)の問題は、自社にとっては、様々な悪影響をもたらすものです。商標権や意匠権などを取得して、その模倣を防ぐとともに、仮に、模倣商品が販売されていることが分かったときには、可能な限りの早期対応が必要です。

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