遺言における付言事項の活用

遺言における付言事項の活用

遺言の作成にあたっては、後の検認手続を省略でき、また、自筆証書遺言よりも信憑性の高い、公正証書遺言の方が良いと言えるでしょう。しかし、公正証書遺言を作成しても、遺留分権利者となる相続人(推定相続人)の遺留分を排除することはできません。

 

もっとも、特別な法的効力自体はないものの、公正証書遺言においては、付言事項という形で遺言者のメッセージを残すことができますので、この付言事項を可能な限り活用することが考えられます。(自筆証書遺言においても、付言事項の記載は可能ですが、公正証書遺言においてメッセージを残す方が、信憑性は高いといえるでしょう。)

 

例えば、遺言者が、遺留分権利者となる相続人(推定相続人)に多額の財産を生前贈与していたとします。このような生前贈与は民法903条1項の特別受益に該当し得るところ、特別受益に該当する贈与は、平成10年3月24日付最高裁第三小法廷により、遺留分減殺の対象になるとされています。

 

つまり、遺言書から既に多額の財産を生前贈与により受け取っている相続人(推定相続人)は、遺留分を超える財産を既に受け取っている可能性があり、その場合、遺留分減殺請求は認められないことになり得ます。

 

このように、特別受益の有無は、後の遺留分減殺請求の可否に大きな影響をもたらすことから、仮に、生前に多額の財産を贈与している事実があれば、付言事項を利用して証拠化することは一考に値するでしょう。(もちろん、生前贈与があったことの根拠となる客観証拠(振込明細書等)については、別途保管しておく必要があります。)

 

また、付言事項に遺言者のメッセージを加え、その遺言内容の趣旨(遺言者の思い)を残すことは、遺言内容の信憑性を高めることにつながり、また、遺言者が死亡した後、相続人の納得を得るという意味でも重要な意味を持ちます。

 

付言事項には、遺言者の思いを伝える大切な役割がありますので、遺言を作成するにあたっては必ず活用すべきでしょう。

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